BCG Henderson Institute

新型コロナウイルスによるパンデミックを経験したことで、医療体制の整備、医薬品やワクチンの開発など、国民の健康を守る手段の重要性が再確認されました。国民の日々の安心が守られ、必要な革新的医薬品が国民に遅滞なく届くことは、日本の将来にとって重要です。そのためには、国民皆保険制度を維持しつつ、産業成長の観点からもイノベーションを推進し、国力を高めていく必要があります。
 現行の国民皆保険制度が施行されて60年が経過した今、医療の在り方を根本から見直し、将来にわたって「イノベーションの推進と国民皆保険制度の維持」を実現させていく必要があります。本稿では医薬品に焦点を当て、日本における課題と議論を整理し、薬価制度、薬事制度、保険制度といった具体的な取り組みについて考察します。

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